基本中の基本も知らない

先日、ある富山県の会社が、弊社のソフトを導入されました。
導入の目的は、溶接ロボットや切断ロボットのティーチングの工数削減です。
更に、この会社の溶接は製品の奥まった箇所が多い為、「『溶接のロボット』と『製品』との干渉のチェックもソフトで行いたい」、という事でした。

実はここ数年で、中小企業の3DCADの普及率が格段に上がった事で、ロボットを導入される際に、「せっかくCADデータが有るのだから、そのデータを使用してロボットの導入を楽にしたい」という企業が急増しています。

弊社のソフトは、そのようなご要望にお応えする事を得意としているだけでなく、ロボットにティーチングで重要な3つのチェック『干渉』『特異点』『各軸のリミット』も簡単にできる事を得意としています。
あとは、お客様からは『製品』のCADデータ、ロボットメーカーからは『トーチ』のCADデータをご提供いただければ、ロボットの初心者でも簡単に出来ます。

よって、弊社はこの会社に溶接ロボットを卸したロボットメーカーに「トーチのCADが欲しいです。
干渉のチェックをしたいので、ソリッドでお願いします。」とお願いしました。
ところが、『ソリッド』ではなく『サーフェース』でデータを送られてきたのでした。

ちなみに、CADには『ワイヤーフレーム』『サーフェース』『ソリッド』の3種類があります。
これは基本中の基本で、この違いが分からない事は、車を運転するのに『ブレーキ』と『アクセル』の違いが分からない事と同じです。
詳細は割愛いたしますが、『サーフェース』ではお客様は干渉チェックができません。

もちろん、弊社はロボットメーカーに「欲しいのは『サーフェース』ではなく『ソリッド』です」、と何度もお願いしましたが、なかなか返答が返ってこない、もしくは再度サーフェースが送られてくる始末でした。
仕方なく弊社が直接トーチメーカーにわざわざ赴いて事情を説明し、ようやく『ソリッド』を頂きました。
「なぜ初めからメーカーではなく、トーチメーカーにお願いしなかったのか?」と思われるかもしれませんが、ロボットメーカーが、ロボットとトーチをセットでお客様に卸している為、商流の上でロボットメーカーにお願いするのが筋だったのです。

結局、このような無駄なやり取りで時間を取られてしまい、お客様を約2ヶ月間お待たせし大変な御迷惑をおかけしてしまいました。
よって、このお客様はロボットメーカーの怠慢な態度に憤慨され「富士ロボットさんは信頼できるが、このロボットメーカーは信頼できない」と言われる程でした。

 

次回に続きます・・

 

弊社に問い合わせて頂ければ、良いSIの紹介だけでなく
ロボットにまつわる様々な事の相談に乗らせて頂きます。